装置の「設計」から「稼働」まで、半導体ファブを支えるセキュリティ
近年、製造業・半導体業界ではランサムウェアやマルウェア被害が増加しており、生産設備やICSが感染すれば生産停止や機密データ漏えいにつながります。半導体は経済安全保障上の戦略物資であり、一工場や生産ラインの停止がサプライチェーン全体に影響します。こうしたリスクを抑えるため、日本では経済産業省が「半導体デバイス工場におけるOTセキュリティガイドライン」を公表し、国際的にはSEMI E187が設備の資産管理やマルウェア防御の強化を求めています。法的義務ではありませんが、主要ファブが採用を始めており、サプライチェーン参加の前提になりつつあります。
同時に、米国NSAの「CNSA 2.0」のように、量子時代を見据えた暗号移行の潮流にも備える必要があります。製造装置は10年以上稼働することも珍しくなく、今設計する装置が将来どんな規制に直面するかも考えておくべきです。対象は米国のNSSとその関連サプライチェーンで日本の装置メーカーへの直接の義務ではありませんが、視野に入れておくべき国際的な流れです。
つまり装置メーカーやファブには、「今すぐ対応すべき現場のリスク」と「将来を見据えた設計上の課題」という2つの時間軸があります。これに対応するのが、WiSECUREの「OPS」と「WAP」です。
稼働中装置を守る:USB経由でのリスク管理とコンプライアンス記録
露光装置・イオン注入機などの高額製造装置は、安定稼働を維持するため、定期的な更新やログファイルを持ち出して解析するなどの保守作業が必要です。クローズドネットワーク(Air-gapped)環境では、USBはマルウェア感染の主要な媒介経路となるため、厳格な利用制限や使用禁止が行われています。しかし、完全に禁止すると保守対応が困難となり、一部利用を認めても感染リスクを完全に防ぐことはできません。
OPS (ORing Portable Shield)を導入する理由?
「❶ マルウェアチェックで安心 ❷ 安全なファイル交換で便利 ❸ 自動レポートで監査対応もスムーズ」
OPS(ORing Portable Shield)は、ポータブルUSBデバイス一台で、アプリのインストールやネットワーク接続は不要。装置に挿すだけで、ヘルスチェック、安全なファームウェア更新、ログの持ち出し、レポート生成までを完結できます。マルウェア検出した時は即時ブロック・通知することで、USB経由のマルウェア侵入や装置間の交差感染を防ぎます。
ファームウェアの書き込みやファイルの持ち出しは、必ずマルウェアスキャンを経て実施されるため、セキュアストレージを常にマルウェアに感染していない安全な状態で維持できます。安全通信チャネルによってファームウェアファイル、検査レポートとログを暗号化領域に保存、改ざんや不正取得を防ぎます。管理サーバーと連携すれば、検査レポートとログ自動集約して一元監視が可能になり、インシデント追跡や監査対応の工数を削減できます。さらにワンクリックで、挿した機器をスキャンし、監査向けのSEMI E187をはじめ12個準拠のレポートも生成します。


こんな現場におすすめ!
すでに稼働中のAir-gapped生産ラインで、保守作業のたびに発生するUSB持ち込みリスクとコンプライアンス記録の作成負荷を減らしたい工場・装置保守チーム向け。
新たに設計する装置を守る:量子時代の長期リスク
露光装置やイオン注入機は10年以上稼働することも珍しくなく、今設計する制御基板やセンサーモジュールが、将来の暗号規制にそのまま晒されることになります。
米国NSAの「CNSA 2.0」は、上記タイムラインの通り機器の種別ごとに移行期限を定めており、制御機器のような組込み型システムも対象区分に含まれます。対象は米国の国家安全保障システム(NSS)とその関連サプライチェーンで、日本の装置メーカーへの直接の義務ではありませんが、長期間使われる装置を今設計するなら視野に入れておくべき流れです。
現在蓄積されている製造レシピや歩留まりデータも、将来の量子コンピューターで解読されるリスク「Harvest Now, Decrypt Later(HNDL)」にさらされています。

WAP(WiSECURE Application Processor) - 量子耐性対応の暗号応用処理プロセッサー
WAP(WiSECURE Application Processor)は、装置の制御基板やセンサーモジュールに組み込む信頼の基点(Root of Trust)として設計された高性能な暗号応用処理プロセッサーです。幅広いインターフェースに対応しており、従来のセキュリティエレメントと比べてより容易に導入可能でありながら、遜色ないセキュリティ機能を提供します。すでに商用化製品への導入実績があり、量子耐性関連のPoCも完了しています。

台湾工業技術研究院(ITRI)との医療ロボット実証実験成果
こんな装置におすすめ!
耐用年数10年以上の新規装置・制御モジュールを開発中で、将来のPQC規制やHNDLリスクを見据えて設計段階からセキュリティを組み込みたい装置メーカー・OEM向け。
主な特長
・暗号化、鍵管理、認証、署名、安全通信、ファームウェア保護など、幅広い暗号応用に対応
・一部のシナリオでは、コントローラーとしても活用可能
・多様なインターフェースに対応しており、導入のしやすさ・安定性の向上とコスト軽減が期待できる
・現在のRSA・ECC、高速AESに加え、耐量子アルゴリズムML-KEM・ML-DSAに対応
・HNDLを防ぐと同時に、将来の量子コンピュータ時代にもハードウェア交換不要
・ハイブリッド署名で段階的移行が可能(慶應義塾大学とのPoCが完了)
